アメリカ発祥のミッドセンチュリーの魅力と部屋作りのポイント3300

家をおしゃれに見せるコツのひとつに、テイストを揃えることがあります。
テーマを決めて、それに沿った家具・インテリアを選んでいくことで、統一感が生まれ、おしゃれな生活空間になります。
人気のスタイルのひとつにアメリカ発祥の「ミッドセンチュリー」があります。直訳は「世紀の中間」。
この記事では、ミッドセンチュリーとはどのようなスタイルか、特徴や魅力、部屋作りのポイントをお伝えします。
アメリカで誕生したミッドセンチュリーとは?
ミッドセンチュリーとは、アメリカで生まれたインテリア様式で、曲線を使用したデザインや、ポップな色使いが特徴です。
1950年代を中心に1940年代から1960年代くらいまでにデザインされた家具やインテリア、建築物などをミッドセンチュリーと呼ぶほか、この時代そのものを指すこともあります。明るい色使いは、当時ポップアートやミニマルアートが流行していたことも関係していると言われています。
誕生した背景
1945年に第二次世界大戦が終わり、アメリカは戦勝国であった上に自国が戦地とならなかったこともあり、他国よりも早く製造業の力が伸びました。
また、戦争中に新しい素材が開発されており、これらがミッドセンチュリーデザイン家具の製造に役立ちました。
さらに、兵士たちがアメリカに帰還し、家を持ったことで家具の需要が一気に高まりました。シンプルな構造でありながらデザイン性が高いミッドセンチュリー家具は人気を集め、大量生産されました。
北欧デザインとの違い
ミッドセンチュリーと並ぶ人気のスタイルのひとつに北欧スタイルがあります。北欧スタイルもシンプルなデザインで曲線を使用するなど、ミッドセンチュリースタイルと共通する点もあります。
しかし、ミッドセンチュリースタイルが機能性と形式美を融合させたスタイリッシュなデザインなのに対し、北欧スタイルは自然素材を活かした温かみのあるシンプルな美しさを特徴としています。
ミッドセンチュリーのデザインの魅力
長い時間を経てもまだ人気の衰えることのないミッドセンチュリー。その魅力はどのようなところにあるのでしょうか。
ポップな色合い
ミッドセンチュリーの家具には、明るく鮮やかでポップな色使いが多く見られます。オレンジ、マスタードイエロー、ディープブルーなどの明るい中にも渋みのある色を大胆にアクセントカラーとして用いることで、生き生きとした空間になります。
丸みのある形状
曲線を活かした丸みのある形状もミッドセンチュリーの特徴です。
戦争が起こると科学技術が発展するというのは皮肉な話ですが、第二次世界大戦中にFRPやプライウッドといった新しい素材が開発され、戦後になって家具の設計・製造にも活用されました。その結果、これまでは技術的に難しかった曲線を活かしたデザインを大量に生産することが可能となりました。そして、貝殻のように湾曲したシェル構造が多く使われるなど、直線ばかりだった家具のデザインに革新がもたらされたのです。
それ以降、ミッドセンチュリーは曲線を使った自由度の高いデザインが増えました。
シンプルでモダンなデザイン
機能性を重視した、シンプルでモダンなデザインもミッドセンチュリーの特徴です。拡張可能なダイニングテーブル、収納スペースのついたコーヒーテーブルなど、生活の中で使うことを想定した工夫がいろいろなところに見られます。
また、人間工学に基づいた合理的なデザインもミッドセンチュリーの特徴です。長時間使用しても疲れにくい設計になっています。生活の中で使うことがよく考慮されており、外見がいいだけではない点もミッドセンチュリーが長く愛される理由でしょう。
異なる素材をミックスしたデザイン
例えばガラスと木材、プラスチックと金属などのように、異なる素材を組み合わせたデザインで個性的な雰囲気を出すのもミッドセンチュリーならではの手法です。
ミッドセンチュリーを代表するアメリカのデザイナー
ミッドセンチュリーを代表するデザイナーといえばチャールズ&レイ・イームズ夫妻と、ジョージ・ネルソンです。
イームズチェアをデザインしたのがイームズ夫妻です。彼らの名前でピンと来なくても、座面から背もたれまでが1枚のシェル型につながっている「イームズチェア」を見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。
ジョージ・ネルソンは「CSS」(Comprehensive Storage System)を世に送り出しました。彼の考案した壁面収納は今でも愛され続けています。
ミッドセンチュリー風の部屋を作るポイント
ミッドセンチュリー風の部屋を作る時に、どんなところに気をつければうまくまとまるでしょうか。ここではポイントを3つお知らせします。
ポイント①取り入れるカラーを決める
ます、アクセントカラーとして取り入れる色を決めましょう。そして、それ以外の色はなるべく揃えるか、揃えられなくてもベーシックな色にするのがおすすめです。
事前にアクセントカラーを絞っておくことで、より統一感のある部屋にすることができます。
ポイント②都会的なデザインに仕上げる
ミッドセンチュリーの特徴のひとつであるモダンテイストを取り入れてみましょう。
モダンには「現代的」「都会的」といった意味があり、モダンテイストとは、余計な装飾がなく、シンプルで都会的な雰囲気のインテリアテイストを指します。無機質な素材や直線的なラインの家具が多く使われています。
ポイント③自然のモチーフを取り入れる
ミッドセンチュリーモダンの建築では、人工物と自然の融合が重視されます。観葉植物や、自然モチーフの時計や照明を選ぶことで、より部屋をミッドセンチュリーテイストに近づけることができるでしょう。
もし、窓から公園など自然の風景が見える場合は、その景色を引き立てるようなインテリアカラーを選ぶと、よりミッドセンチュリー色の強い部屋に仕上げることができます。
ポイント④レトロなインテリアを選ぶ
カーテンや時計などにレトロなデザインのものを取り入れてみましょう。中でもおすすめはレトロフューチャーです。
レトロフューチャーとは、昔の人々が描いた未来の姿をデザインに落とし込んだものです。戦後の復興の中で人々が思い描いた明るい未来の世界がそこには広がります。
レトロフューチャーのテイストを部分的に取り入れるだけでも、ミッドセンチュリーらしさが高まります。
ポイント⑤部屋の全体の雰囲気を統一する
最後に、部屋全体の雰囲気を統一することです。
同じミッドセンチュリーでもよりポップに寄せたものもあれば、シックに寄せたものもあります。インテリア雑誌やwebサイトなどをみて、まずは自分が目指す部屋の姿がどのようなものなのか、より具体的にイメージを固めましょう。
どうしても手に入れたい家具がある場合には、それを中心に組んでいくのもひとつの方法です。
イメージが固まったら、部屋に取り入れるアイテムは、「決めたイメージに合うかどうか」を基準に選びましょう。「かわいい」「素敵」という理由で選んでしまうと、統一感がなくなってしまいます。
アメリカ生まれのミッドセンチュリーで素敵な暮らしを
アメリカ生まれのミッドセンチュリーはどのようなスタイルか、ミッドセンチュリーでインテリアをまとめるにはどのような点に注意すればいいのかについてご紹介してきました。
ミッドセンチュリーという言葉は知らなくても、私たちの身近なところに根付いているスタイルであることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
自分の好きなものに囲まれた生活は、それだけで生活の質が上がります。ぜひ、お部屋づくりの参考にしてください。
PIECE STYLEはアメリカンテイストの注文住宅を多く手がけています。埼玉県でアメリカンテイストの家をお考えでしたら、ぜひ一度ご相談ください。