公開日 2024.10.31 更新日 2024.10.31

アメリカンバイクとは?カスタムのスタイルも詳しく解説

バイクにも色々な種類がありますが、中でも根強い人気を誇るのがアメリカンバイクです。

 

両手両足を投げ出したような座り方で、ひたすらにまっすぐな道を大きなアメリカンバイクで走っていく…そんな映画のワンシーンに憧れる人も多いのではないでしょうか。

 

とはいえ、「アメリカンバイク」が何を指すのかあまりよくわからないという人もいるでしょう。

 

この記事では、アメリカンバイクとはどのようなバイクなのか、また、アメリカンバイクの大きな特徴であるカスタムスタイルについても解説します。人気の車種やバイクを購入する時に気をつけたいことについてもご紹介しますので、バイクの購入を検討している人はもちろん、好きだけど乗る予定はないという人も是非読んでみてください。

アメリカンバイク とは

アメリカンバイクとは、その名の通りアメリカのバイクのことです。

 

大正時代に輸入されていたハーレー・ダビッドソンやインディアンといったアメリカのメーカーのバイクを指してアメリカンバイクと呼んでいました。それがいつしか、ハーレー・ダビッドソンのバイクのようなスタイルのバイク全般を指す言葉に変わっていったのです。なお、アメリカンバイクとは日本独自の呼び方で、「クルーザー」とも呼ばれます。

 

国産バイクが初めて市販されたのが1913年のことです。国産バイクの生産が盛んになり、庶民の足として普及するのは第二次世界大戦後のことであり、戦前はバイクは輸入に頼った高級品でした。

 

1970年に公開された『イージー・ライダー』という映画に、ハーレー・ダビッドソンのバイクをカスタムしたものが登場しました。このバイクが話題を呼ぶとともに、アメリカンバイク人気を決定づけるものとなりました。

アメリカンバイクの特徴

アメリカンバイクといえば、なんと言ってもロー&ロングスタイルでしょう。アメリカンバイクは、両手両足を投げ出したようなスタイルでまたがるバイクです。

 

具体的には、以下のような特徴があります。

  • 大排気量の空冷Vツインエンジン
  • キャスター(フロントフォーク)が寝ている
  • ホイールベース(前後ホイールの距離)が長い
  • ハンドルが幅広で高い位置に設置されている
  • シート高が低い
  • シートよりも前方にステップが配置されている

2017年の排ガス規制に伴い水冷タイプのエンジンを採用するなど、実態はこれとずれる場合もありますが、アメリカンバイクと呼ばれるバイクは、おおむねこのような特徴を備えています。

アメリカンバイクの費用の相場

アメリカンバイクの費用は、輸入品か国産品か、新車か中古か、排気量はどれくらいかなどの要素に左右されます。

 

国産品で唯一新車が買えるカワサキELIMINATORだと、ELIMINATORモデルが
メーカー希望小売価格 814,000円、ELIMINATOR SEモデルがメーカー希望小売価格 913,000円となっています。

 

これに自動車保険(バイク保険)、自賠責保険、軽自動車税、自動車重量税、車検費用がかかります。また、保管場所がなければ駐車場を借りなくてはなりませんし、法定点検や任意点検のメンテナンス費用もかかってきます。もちろん、乗れば乗った分ガソリン代もかかります。

 

バイク本体以外にもかかる費用があることに注意しましょう。

アメリカンバイクにはどのような種類がある?

アメリカンバイクの特徴として、カスタムパーツが多く販売されており、自分の好みのスタイルに仕上げることができることが挙げられます。SNSでいろいろなカスタム例をみたり、ショップでカスタムを相談したり、パーツを選んだり…といった時間も、アメリカンバイクを所有するからこそ生まれる楽しみのひとつでもあります。

 

では、アメリカンバイクのカスタムにはどんな種類があるのでしょうか。ここでは定番の5 スタイル をご紹介します。

クラシック

クラシックは、定番スタイルです。昔ながらのハーレー車のような装備が特徴となっており、太いタイヤを覆う大きなフェンダーやサドルシートなどを装備しています。

 

古き良き時代のアメリカを思わせるスタイルが好きな方におすすめのカスタムです。

チョッパー

チョッパーは切り捨てるという意味の「チョップ」が由来です。このスタイルの起源は諸説あり、車体を軽くするためにパーツを省いた、盗んだバイクが盗品とわからないようにパーツを取り外したなどの説があります。

 

一般的には、映画「イージーライダー」で主人公キャプテンアメリカが乗っていたバイクのようなロングフォークで極端なアップハンドルのバイクを指しますが、本来はもっと広い意味でのカスタムを指します。

 

例えば前後のフェンダーを小さくしたり、ガソリンタンクを小型化したり、さらに各パーツをシンプル化することがチョッパースタイルにあたります。

ボバー

ボバーという名称の由来は、フェンダーなどを「短く切り落とす(bobb)」という言葉と、切ったフェンダーが走行中に揺れている様子(bobbing)から生まれたという説があります。発祥は、1930年代から1940年代のダートトラックレーサーと言われています。

 

ムダなパーツを排除するといった点ではチョッパーと似たスタイルですが、フロントフォークの延長を行わない、比較的低めのハンドルを使用する、ショートタイプのフェンダーを採用するといった点がチョッパーとは異なります。

ドラッガー

ドラッガースタイルは、直線上で速度を競い合うドラッグレースで活躍していた車両をモチーフにデザインされていることが名前の由来となっています。

 

一般的なアメリカンバイクと異なり、洗練されたカジュアルなデザインが魅力です。外観上の特徴として、低く構えた車体に、激しい加速にも耐えられる一文字のローハンドル、角張っていてコフィンタンクと呼ばれる燃料タンクなどがあります。車体にはドラッグバーと呼ばれる短いハンドルバーが搭載されており、湾曲が無く直線状に伸びたデザインが特徴的です。前後のフェンダーが短く改良されているのもドラッガースタイルの特徴のひとつです。

ディガー

ニュースクール

ニュースクールはオールドスクールの対義語で、新しいスタイルを指します。。

 

オールドスクールは伝統的な手法やヴィンテージパーツを使用したカスタムスタイルです。エイプハンガーなどのクラシカルなパーツが使用されており、 クラシックカスタムにも似ていますが、フェンダーを取り除く点などが異なります。

 

これに対してニュースクールは豪華で最新鋭のカスタムをします。現代風もしくは近未来風に仕上げられていることが特徴で、「ハイテック」とも呼ばれます。

 

パーツにはビレットホイールなど派手なものが使用され、走りに特化した仕様になっているスタイルです。華やかなクロムメッキパーツ、最新技術を使って塗装したペイント、派手なピレットホイール、旧時代には実現不可能だった低扁平のタイヤなどが使われます。

アメリカンバイクは初心者でも乗れるのか

ボディの大きいアメリカンバイクですが、初心者でも乗ることはできるのでしょうか。

 

答えはもちろんイエスです。

 

アメリカンバイクを選ぶメリットには以下のようなものがあります。

  • 足つきが良い
  • タンデムがしやすい
  • カスタムパーツが豊富
  • ライディングポジションが身体に優しい
  • 直進時の安定性が高い

中でも、特に注目したいのは足つきの良さです。足つきとは、バイクにまたがった時の足と地面との接地感のことを指し、「足つきがいい」(足がベッタリつく)、「足つきが悪い」(つま先しか足がつかない)などのような表現をします。

 

足つきがいいと、停車時のバランスをうまくとることができ、立った状態で転ぶリスクが軽減されます。

 

一方で、以下のようなデメリットもあります。

コーナーワークが苦手

  • 車体が重い
  • 取り回しや駐輪が難しい
  • ライディングポジションが腰に厳しい

車体が重たいからこそ走行が安定するのであり、直進が得意ということは曲がるのはあまり得意ではないということにもなるので、メリットとデメリットが紙一重である部分はあります。しかし、やはりスポーツバイクなどと比べると角を曲がるのは難しいですし、車体が大きくて小回りがきかない分取り回しや駐輪が難しいというデメリットも出てきてしまいます。

 

上記に挙げたようなデメリットがあるから気をつけよう、という意識を持つことで十分対処はできます。

人気のアメリカンバイク5選

ここまでアメリカンバイクの魅力やカスタムの種類、アメリカンバイクを選ぶメリット・デメリットをご紹介してきました。ベースとなる車体にはどのようなものがあるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。

 

ここからは人気のアメリカンバイクを5種類ご紹介します。近年国内で生産されるアメリカンバイクは種類が減っており、2024年10月現在、新車を購入できるのはカワサキELIMINATORだけとなっています。

 

しかし、ご紹介する車種は中古市場にある程度出回っているものですので、気になるものがあればショップに相談してみてください。

カワサキ ELIMINATOR

カワサキELIMINATORは、カワサキから出ているアメリカンクルーザー・シリーズの名前です。1980年代から90年代にかけて、直列4気筒&シャフトドライブのモデルが展開され、人気を集めました。現在でも中古市場では高値で取引されています。

 

2023年に新型モデルが20年以上ぶりに発売され、話題となっています。新しいモデルは、旧モデルのシート高が低く足つきがいい点、肉厚で座り心地がいい点、シンプルなデザインを踏襲しつつ、モデルによってはETC車載器やUSB-C端子を備えるなど、現代のツーリング事情に合った仕様にアップデートされています。カスタムなどを楽しみたいのであれば、現行モデルがおすすめです。

ヤマハ ドラッグスター

ヤマハドラッグスターはヤマハ製のクルーザータイプのオートバイです。1996年に発売されて以降アメリカンらしい、ロー&ロングなスタイルで長きにわたり人気を集めましたが、2017年の排ガス規制に適合しないため生産終了となりました。

 

シート高が低いため気軽に乗りやすく、ツーリングにも耐えられるパワーがあるマルチに使えるスペックであること、シンプルな設計でカスタムしがいがあることなどが人気の理由です。

 

現在でも人気の車種で、中古市場では高値で取引されています。

ホンダ シャドウ

ホンダシャドウは、1997年3月にホンダから発売されたアメリカンクルーザーで、2008年にフルモデルチェンジが行われました。現行モデルであるシャドウ クラシック<400>は、鼓動感あふれる水冷・4ストローク・V型2気筒エンジンを搭載し、外装にはディープフェンダーやティアドロップタンクなどを採用するなど400ccモデルながら十分すぎるほどの重厚感があります。

 

残念ながら2016年に国内向けモデルは生産を終了しており、中古を探すしかありません。

スズキ ブルバードM109R

ブルバードM109Rは、スズキが製造するクルーザータイプのバイクです。ブルバードM109R及びM109R2は一貫して海外向けモデルであり、日本国内ではスズキ車の輸入販売を行っていたモトマップを通じて購入することができたモデルです。排気量が1,783ccと非常に大きく、車体も全長2,480mm、ホイールベースが1,710mm、車重347kgと非常に大きいながらシート高は705mmとアメリカンクルーザーのロー&ロングスタイルを踏襲したつくりとなっています。

Indian スカウト ボバー

Indian スカウト ボバーは日本国内にディーラーを持つIndian社のバイクです。Indian社はアメリカ初のモーターサイクルカンパニーでもあります。

スカウトボバーは、その名が表すとおり、スカウトをベースにした「ボバースタイル」のファクトリーカスタムモデルとして登場しました。黒い車体が目をひきます。

 

2025年モデルでフルモデルチェンジを行い、水冷式の60°V型2気筒DOHC4バルブエンジンの排気量が1,250ccとなった他、さまざまな面で機能が強化されました。また、モデルによってフルカラーのタッチパネル液晶モニターやキーレスライドを採用するなど、最新テクノロジーも導入されています。

アメリカンバイクを選ぶ際に覚えておきたいこと

新車で購入できるバイクが限定的である

現在、新車で購入できるバイクは限られています。

国産品であれば新車で購入できるのはカワサキELIMINATORだけです。

国内で購入できる外国メーカーのものもありますし、個人輸入をすることも不可能ではありませんが、割高になりがちです。

ショップ選びが重要となる

バイクを購入するときは、どの車種を購入するかも大事ですが、それ以上にどこのショップで購入するかが鍵になります。

基本的にバイク店との付き合いは買ったら終わり、ではなく、車検やメンテナンスでお世話になります。

 

また、故障した時や事故に遭った時にもお世話になるでしょう。

知識や経験があり対応がきちんとしているショップなら余計な費用を払わずに済みますし、適切なアドバイスをもらうこともできます。

購入前に疑問点をしっかり解決してくれるか、車種選びに的確なアドバイスをくれるかなどを確認し、安心できるショップかどうか判断しましょう。

自分に合うサイズかを確かめる

排気量何ccのバイクに乗ることができるか、また、どのバイクに乗ることができるかには2つの条件があります。

まずひとつは免許の問題で、乗ろうとするサイズのバイクを運転することのできる免許を所持しているかどうかです。

 

もうひとつは身体のサイズにあっているかです。バイクは自動車よりももっと車体と乗る人が一体となって動くものです。そのため、バイクのサイズが乗る人の身体のサイズに合っていないとうまく取り回すことができず、事故の原因になります。

特に初心者の場合には、無理のない排気量、バイク車体の大きさ・重さのもの、そして足つきのよいものを選ぶようにしましょう。そのためにも、試乗は欠かせません。

デザインにこだわる

せっかくアメリカンバイクを手に入れるのですから、デザインにもこだわりましょう。

同じ「アメリカンバイク」でも、車種によってデザインは異なります。また、できるカスタムも異なります。

いろいろな車種を見比べて、自分の好みにあった1台を探すことが、長く乗ることにもつながります。

カスタムの内容を吟味する

アメリカンバイクはカスタムが魅力のひとつでもあるため、中古車市場にはカスタムされたアメリカンバイクも多く出回っています。

 

しかし、カスタムは面白い反面、乗り味に影響が出るため取り回しがしにくくなりがちです。また、カスタムの内容によってはバイクの強度が落ちている可能性も考えられます。

 

初心者にはカスタムされていないスタンダードなタイプをおすすめしますが、カスタムされたものを購入する場合にはカスタムの内容をよく吟味し、カスタムに関する知識の豊富なショップスタッフとよく相談した上で購入するようにしましょう。

アメリカンバイクに乗るときの注意点

アメリカンバイクに乗る時には以下の点に注意しましょう。

注意点①バイクの扱い方

まず、バイクの扱い方に注意しましょう。

アメリカンバイクは車体が大きく、ハンドルが離れていて引きにくいモデルも多いです。

 

また、重量もかなりあるため、バイクの下敷きになってしまうと骨折などの大怪我につながります。

もちろん、走行中もバランスを崩さないように気をつけましょう。

注意点②走行する速度

アメリカンバイクは、高速の直線走行に強いバイクです。

逆にいうと、低速走行には弱いということです。

 

一般的なバイクに比べてアメリカンバイクは前輪が前に突き出ており、小刻みなハンドルをしづらいです。

そのため、低速走行でよろけそうになった時に、細かなハンドリングで立て直すことができません。

 

アメリカンバイクで低速走行している時によろけそうになったら、アクセルを開いて動力をつなげ、トラクションを確保することでバランスを立て直せる場合があります。

注意点③運転時の揺れ

運転時の揺れにも注意しましょう。

アメリカンバイクはバイクの中でもサスペンションが弱い傾向にあるため、特にカーブの多い道などを走っていると、上下左右に揺れることがあります。

仕様によるものでの故障ではなのですが、知らないと驚いてパニックになってしまう可能性もあります。

対処法がないわけではないですが、高度な運転技術を必要とするため、あまりおすすめはできません。

とにかく慎重に乗るに限ります。

アメリカンバイクとともに充実したライフスタイルを

アメリカンバイクの種類、魅力、選び方などについて解説してきました。大きな車体のアメリカンバイクで道を走る魅力が伝わったでしょうか。

ぜひ自分だけのアメリカンバイクを手に入れて、ライフスタイルを今まで以上に充実したものにしてください。

アメリカンバイクから入ってアメリカンカルチャー全般に興味を持つ人も多いです。アメリカンカルチャーもまた奥深い世界で面白いです。

 

PIECE STYLEはアメリカンカルチャーのひとつ、アメリカンスタイルの注文住宅を埼玉県を中心に手がけています。アメリカンガレージハウス、サーファースタイルなどにも対応可能です。埼玉県でアメリカンスタイルの家をご検討でしたら、是非一度PIECE STYLEにご相談ください。