公開日 2023.12.25 更新日 2023.12.28

ドライガーデンとは?特徴やデザインのポイントを解説

「おしゃれな庭造りをしたい」

「特徴的なスタイルのエクステリアを楽しみたい」

上記のようなこだわりのある方におすすめなのが、ドライガーデンです。
ドライガーデンとは、乾燥に強いサボテンや多肉植物を多用した庭のことです。

ドライガーデンはメンテナンスの手間が少なく、管理しやすいため、理想的なコンディションを長持ちさせやすいのも魅力です。

本記事では、ドライガーデンの基礎知識から歴史、メリットとデメリットなどを詳しく解説します。
あわせて、ドライガーデン造園時の流れやメンテナンスの方法についても詳しくみていきましょう。

ドライガーデンを検討している方は、最後までぜひ本記事をご覧ください。

ドライガーデンとは?

ドライガーデンは乾燥に強いサボテン、多肉植物をメインにして、砂利や石を用いた庭が特徴です。
地中海地方や西海岸を思い浮かべると、イメージしやすいでしょう。

なお、ドライガーデンといってもメインにする植物で呼び名が異なります。
例として、サボテンであればカクタスガーデン、多肉植物の場合はサキュレントガーデンなどと呼ばれます。

ドライガーデンの魅力は、お手入れのしやすさが挙げられます。
ガーデニングと聞くと、水やりや肥料を与えるのが大変というイメージを抱く方もいるでしょう。

しかし、ドライガーデンであれば水やりは週に2回〜3回、植える場所や土づくりに注意すれば肥料も必要ありません。

ドライガーデンとロックガーデンの違い

ドライガーデンとよく似たスタイルにロックガーデンがありますが、どちらも異なるものです。
ドライガーデンは乾燥地帯の植物をメインにしているのに対して、ロックガーデンは石が主役の庭となっています。

ロックガーデンは石の隙間に植物を植えることはあるものの、あくまで主役は石です。
したがって、庭を作るときは石の大きさや形を考慮して、配置を考える必要があります。

どちらも異なるスタイルであるため、業者にイメージを伝える際などは間違わないよう注意しましょう。

ドライガーデンの歴史

ドライガーデンはその名の通り、乾燥地帯の気候をイメージしたスタイルです。
そのため先ほど挙げたようなロックガーデンや、オーストラリアの乾燥地帯を意識したドライリバーと言われるスタイルも広義にはドライガーデンと呼ばれる場合があり、時には日本の伝統的な枯山水もドライガーデンの一つとして扱われることもあります。

しかしながら、近年人気を集めている造園手法はアメリカではデザートガーデンやアリゾナガーデンと呼ばれるデザインのエッセンスがふんだんに取り入れられています。

いつ頃からこういったスタイルが生まれたのかは定かはではありませんが、1882年にはカリフォルニアのリゾートホテルでサボテンを植えた造園が行われていたことが確認されています。

メキシコやアリゾナ、南米の乾燥地帯をイメージしたスタイリッシュなデザインは、時代を越えて愛される魅力を備えています。

ドライガーデンのメリットと注意点

ドライガーデンにはさまざまな魅力とメリットがある一方で、維持していく上で注意すべき点もあります。

そこでここでは、ドライガーデンをより楽しめるように、メリットと注意点を詳しくみていきましょう。

これからドライガーデンを始めたい方はもちろん、興味がある方もぜひ参考にしてください。

メンテナンスが比較的簡単

ドライガーデンの最大のメリットとも言えるのが、手間がかかりにくいことです。乾燥しており、消毒や肥料の追加などをする必要がないため、メンテナンスはほとんど不要です。日の当たる場所に植えて、水はけの良い土さえ用意すれば、ほったらかしでも問題ありません。

したがって、メジャーなナチュラルガーデンやボーダーガーデンよりも、お手軽に庭づくりをしたい方に適しています。さらに、ドライガーデンの植物は樹形が崩れにくいものが多く、美しい見た目を保ちやすいのも魅力です。

手間を最小限にしながらも、庭を美しく見せたい方は、ドライガーデンにぜひ挑戦してみましょう。

日本の気候に合わない植物もある

ドライガーデンで用いられる植物の特徴として、植物によっては日本の梅雨や冬に弱いことが挙げられます。
ドライガーデンの多くは乾燥と暑さに強いものの、寒さや湿気に弱いものもあります。
そのため、水はけが悪い土では植物がうまく育たないこともあるのです。

ドライガーデンに挑戦するときは植える植物の特徴を把握して、気候のことを考慮しましょう。
他にも水捌けのいい土づくりをしたり、事前に自分が住んでいる地域の気温に適した植物を植えたりするなど、工夫をする必要があります。

また、ドライガーデンの植物は樹形の似たものが多く、景色が単調になりやすいことが挙げられます。寂しい印象になりがちなため、色やテクスチャで工夫する必要があります。
使用する石の色にこだわったり、高低差を作ったりすると華やかな庭になるでしょう。

ドライガーデンの似合う家とは?

ドライガーデンはプランターなどでも手軽に育てられる強健な植物が多いため、和風・洋風問わずさまざまな住宅で取り入れられています。
しかし、やはり元々がアメリカの乾燥地帯の風景をイメージした庭のスタイルなので、アメリカンスタイルの住宅と組み合わせると異国に飛び込んだような不思議な魅力のある空間を作り出すことができます。

ドライガーデンのデザイン時のポイント

ドライガーデンはおしゃれな見た目を演出しやすいのが魅力です。
しかし、初めてドライガーデンに取り組む方の中には、上手にデザインが出来ないと悩む方もいるでしょう。

ドライガーデンのデザイン時は、以下のポイントを意識することで、さらにおしゃれにできます。

  • 遠近感を出す
  • 玄関アプローチの小道
  • 石階段に植えて高低差を出す
  • 多肉植物の鉢植えやプランターで飾る
  • ビカクシダを壁面に飾る

ここでは、それぞれのポイントを詳しく解説します。
これからドライガーデンに取り組む方は、デザインで困っている方は必見の内容です。

遠近感を出す

ドライガーデンでおしゃれさを出すには、遠近感を出すのがポイントです。

手前に背の低い植物を植えて、奥には背の高い植物を植えることで、遠近感を出せます。
なお、ドライガーデンを植えるときは、なるべく感覚を空けて植えるようにしましょう。

また、三角形を意識して植えると、バランスが取りやすくなります。
狭い感覚で植物を植えると、ゴチャゴチャとした印象になってしまうため、注意してください。

玄関アプローチの小道

玄関アプローチの小道に植物を植えることで、乾燥帯らしさを出すことができます。

このときも、庭のデザインと同じように、植物同士の間隔を空けて植えるようにしてください。
また、ドライガーデンはゴツゴツとした大きな石との相性が抜群です。

大きな足と砂利をうまく使いこなして植物を植えることで、よりおしゃれさを出せます。
なお、後ほど詳しく紹介しますが、石には水はけの良いものから青みがかった石など、たくさんの種類があります。

使用する石にも工夫して、個性を出していきましょう。

石階段に植えて高低差を出す

石階段がある場合は、石階段の両脇に植物を植えて高低差を出してみましょう。
庭に植物を植えるだけでは、どうしても平面的になり寂しい印象になってしまいます。

石階段に植物を植えることで、立体感のあるドライガーデンを作れます。

多肉植物の鉢植えやプランターで飾る

続いては、多肉植物の鉢植えやプランターで飾っていきましょう。

ドライガーデンと聞くと、大きい植物を直接地面に植えるのを想像している方もいるでしょう。
しかし、水はけが悪かったり、スペースがなかったりすると、土に直接植物を植えるのは難しくなります。

そこでオススメなのが、鉢植えやプランターを使う方法です。
鉢植えやプランターを使うことで、狭いスペースでもドライガーデンを楽しむことができます。
さらに天候状況が悪くなったときや、直射日光で葉焼けしそうなときでも、植物をすぐに屋内に避難できます。

地面に直接植えるよりも庭のスペースを活用しやすいため限られている方は、鉢植えやプランターでガーデニングを楽しむのがおすすめです。

ビカクシダを壁面に飾る

それでもスペースの確保が難しい場合は、ビカクシダを壁面に飾る方法があります。ビカクシダとはコウモリランと呼ばれる植物で、ドライガーデンとの相性抜群です。品種によって小さな株から大きな株まであり、バリエーションも豊富で楽しめるのも魅力の1つです。

なお、ビカクシダは日当たりの良い場所を好み、日陰に置くとだんだん弱っていくため注意してください。日当たりが良く、風通しが良い場所で育てるようにしてください。そして葉が枯れてきたり、混み入ってきたりしたら、間引きをしましょう。いくつかの注意点はあるものの、初心者にも育てやすい植物となっており、ドライガーデンを始めたての方におすすめの植物です。

ドライガーデンに向いている石のタイプ

ドライガーデンをするときは植物を工夫するだけではなく、石も活用することで、よりおしゃれな空間を実現できます。しかし、石といってもさまざまな色があります。ここでは、ドライガーデンに向いている石である、以下の5つを詳しく解説します。

  • 黄色系の石
  • 茶系の石
  • 白系の石
  • ピンク系の石
  • 黒系の石

これからドライガーデンを行う方は、必見の内容です。また、既にドライガーデンを行っている方も、これから紹介する内容を押さえることでさらにおしゃれな庭にできるでしょう。

黄色系の石

黄色系の色はナチュラルなイメージがあり、柔らかさを演出したいときに最適です。また、ヨーロピアンな印象もあり、洋風の家との相性が抜群です。さらに使いやすい色であることから、初心者におすすめのカラーでもあります。大きめの石である大理石のベージュロックを使用する際は、植物の隣に置いてアクセントにするのがおすすめです。

茶系の石

次は茶色系の石です。茶色系の石茶色系の大きな石は、アメリカの南西部のアリゾナをイメージさせるカラーです。王道のドライガーデンを実現するのに最適な石で、どんな植物とも相性がいいのが特徴です。

白系の石

続いては、白系の石です。白系の石は上品なイメージがあり、太陽の光を反射するため、植物の魅力をより引き出すことができます。特に大理石を大きめにカットした割栗石は、洋風の家との相性の良さが特徴です。他にも価格がお手頃で和風・洋風の家に合う白砕石や、通気性に優れた琉球石灰岩などがあります。白系の石を敷く際は、土の色が見えないようにすると地中海風の庭になります。

ピンク系の石

次はピンク系の石です。ピンク系の石と聞くと、派手な色をイメージする方もいると思いますが、実際はナチュラルで初心者にも使いやすい色となっています。特に、可愛らしいお庭を作りたい方におすすめの色です。他にも木材やレンガとの相性が良く、暖かい雰囲気を作れるのも、ピンク系の石の特徴です。

黒系の石

続いてが黒系の石です。黒系の石は植物の個性を引き出すことができ、スタイリッシュな庭に出来ます。和風な庭や洋風の家にも合うのも、黒系の石の魅力の1つです。お手頃な価格でガーデニングをしたい場合は、小さいサイズから大きいサイズまである、富士山溶岩石がオススメです。モダンや高級感のあるガーデニングをしたい場合は、シックな色合いであるブラックロックがいいでしょう。雨に濡れるとツヤツヤと輝き、晴れのときとはまた違った表情を見せます。

ドライガーデンに向いている植物

ドライガーデンに向いている植物はさまざまです。ここではドライガーデンに向いている、以下の10種類の植物を紹介します。

  • アガベ
  • ユッカ
  • ウチワサボテン
  • コルジリネ
  • ソテツ
  • ナツメヤシ
  • ロストラータ

ドライガーデンをしたいものの、どの植物を選べばいいのかわからない方、これから始める方はぜひ参考にしてください

アガベ

アガベとは、北米原産の多肉植物です。メキシコを中心に、アメリカ大陸全体に分布しており、別名リュウゼツランとも呼ばれます。種類は300種類以上と非常に豊富で、インテリアとしても人気の植物です。直径5cmの小さなものから5mを超えるものまであり、庭の大きさにかかわらず飾りやすいのが魅力です。また、アガベは日当たりの良い場所を好みますが、寒さと暑さ、乾燥に強く育てやすくなっています。ただし、風通しが悪いと病害虫の被害に合うため、できる限り風通しの良い場所で育てるようにしてください。

ユッカ

ユッカとは、リュウゼツラン科イトラン属の植物です。別名、青年の木とも呼ばれます。葉が上を向いているのが特徴で、風水では仕事運が上がるといわれています。基本的に暑さに強いものの、寒さには弱くなっています。そのため、冬は室内で育てる必要があり、注意が必要です。ただし、室内であっても日がよく当たるところに置くようにしてください。室内であっても太陽の光が当たれば、しっかりと育ちます。

ウチワサボテン

ウチワサボテンとは、サボテン科の亜科で、うちわのように平べったい姿の見た目です。どんな環境でも育ちやすく、見た目も可愛らしいのが魅力です。ただし、日照不足になると株が弱ってしまうため、日中は明るい場所におきましょう。気温が0度を下回るときは断水して、春から秋の間はたっぷりと水やりをします。種類によっては寒さに弱いものもあるため、その場合は室内で育てましょう。

コルジリネ

コルジリネとは、キジカクシ科コルジリネ属の植物です。中国南部からオーストラリア北部が原産地で、日当たりの良い場所を好みます。日光の悪い場所で育てると、発色が悪くなるため注意してください。品種にもよりますが寒さに弱いものも多くあるため、冬場は室内に移動させて管理するのがおすすめです。水やりに関しては頻繁にする必要はなく、夏場の雨が降らない時期、植え付けのときにする程度です。また、春から秋にかけて10日に1回のペースで化成肥料を与えることで、コバエの予防ができます。

ソテツ

ソテツとはヤシ・ソテツ類の植物で、沖縄の南西諸島、オーストラリアやアフリカなどに生えています。日当たりと乾燥した環境を好み、寒さと湿気には強くありません。暖かい地域であれば屋外でも外で育てられますが、霜が降りる地域では室内に移動させましょう。ただし、種類によっては日本の気候に合っていて育てやすい品種もあるため、そちらを選ぶのもおすすめです。

ナツメヤシ

ナツメヤシとはヤシ科ナツメヤシ属の高木で、北アフリカからペルシャ海岸沿岸が原産です。ナツメヤシは日当たりの良い場所を好むため、日陰は避けてください。また、植えるときは5m以上の間隔を空けましょう。水やりに関しては頻繁にする必要はなく、春と秋は土が乾いたら与え、冬は月に1回程度です。そして肥料は化成肥料を適量与えてください。

なお、ナツメヤシは病気や害虫に強いものの、乾燥が続くとハダニやカイガラムシが発生します。見つけ次第取り除くようにしてください。さらに寒さには強いものの、雪年もには弱いため、防寒対策が必要です。

 

ドライガーデンのメンテナンス時のポイント

ドライガーデンは特別なメンテナンスをする必要はありませんが、いくつかのポイントを抑える必要があります。具体的には、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

  • 気候
  • 水やり
  • 肥料

現在ドライガーデンを行っている方、これから始める方は、これから紹介する内容をぜひ参考にしてください。

気候

ドライガーデンは日当たりの良い場所に置きましょう。しかし、植物の種類や品種によっては、強い日光は葉が焼ける原因になります。葉が焼けると葉の色が白くなったり、茶色になったりと変色します。

とはいっても、日陰の場所に置きっぱなしだと葉の色が悪くなったり、花が咲かなかったりする原因となります。そのため、植物をよく観察してください。耐暑性に関しては高いため夏場は問題ありませんが、品種によっては寒さに弱いため注意が必要です。

また、乾燥しすぎたり風通しが悪かったりすると、病害虫の被害に遭います。病害虫の被害に遭ってしまったときは、殺ダニ剤や殺菌剤を使うなどして対策をしてください。

水やり

ドライガーデンの場合、水やりを頻繁にする必要はありません。雨が降るのであれば、全く与えなくても良い程度です。季節や植物の種類・品種にもよりますが、何日も雨が降らないときは、表面が乾いたら水を与えるようにしてください。とくに日照時間の長い夏場、乾燥する冬場はたっぷりと与えましょう。品種によっては水の与えすぎで根腐れする原因となります。断水して、コントロールしましょう。

肥料

ドライガーデンの庭は、基本的に肥料を必要としません。むしろ、肥料のやりすぎは害となります。もしも肥料を与えるのであれば、春から秋に1度化成肥料を与える程度にしておきましょう。むしろ肥料を与えるよりも、水はけのいい土作りをするのがポイントです。

ドライガーデンができるまでの流れ

ドライガーデンが出来るまでの流れは、以下の5ステップに分けられます。

  1. どこを庭にするかを決める
  2. 雰囲気や完成図をイメージする
  3. 庭をデザインする
  4. 植物・石・土の順で選ぶ
  5. 仕上げる

まずはどこを庭にするかを決めます。ドライガーデンは日陰を嫌う植物が多いため、日当たりがいい場所を選ぶのがポイントです。そして庭が決まったら、雰囲気や完成図をイメージします。完成イメージをもとに、庭をデザインしていきましょう。植物・石・土の順で選び、仕上げていきます。なお、ドライガーデンの植物の間隔は、なるべく開けるようにしてください。また、石はゴツゴツとして角ばっているものがおすすめです。丸くてすべすべした石を使用すると、人工的な感じが出るためです。そして水はけをよくするために、吸収性の高い穴が空いた石を選びましょう。

ドライガーデンとは何かを理解しガーデニングに挑戦しよう

本記事では、人気のドライガーデンについて解説しました。ドライガーデンの植物は寒さにも暑さにも強く、育てやすいのが特徴です。また、肥料を与える必要がなく水やりの頻度も低いため、管理を楽にしたい方、ガーデニング初心者にもおすすめです。

とくに人と違う個性的なガーデニングを楽しみたい方には、ドライガーデンがマッチします。自分の手でガーデニングにチャレンジするのも良いですが、家の外観との庭の調和を取ったデザインは難しく、プロの手に頼るのが確実です。

PIECE STYLEでは埼玉を中心にアメリカンスタイルの住宅建築を請け負っています。

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