公開日 2023.12.22 更新日 2023.12.26

アメリカンスタイルの家とは?長年愛されているスタイルと特徴を紹介

「アメリカンスタイルの家の特徴は?」
「アメリカンスタイルの種類とそれぞれのメリットとは?」
「アメリカンスタイルの家にするにあたり押さえておきたいことは?」
アメリカンスタイルと言われる建築様式は、長い歴史の中で様々なジャンルを生み出してきました。
本記事では、そういったアメリカンスタイルの家に関する冒頭の疑問について、詳しく解説していきます。
おしゃれなライフスタイルを目指す方、一風変わったものに惹かれる方は、ぜひ最後までご覧ください。

アメリカンスタイルとは

アメリカンスタイルはその名の通りアメリカ合衆国に倣った様式のことを指し、特に建築様式や内装・インテリアのスタイルをそう呼びます。建国当時のアメリカにはヨーロッパ各地からの移民が移住した歴史があり、アメリカンスタイルは17世紀~19世紀のヨーロッパの建築様式をルーツに持ちます。
そしてそのヨーロッパの建築様式に、広大なアメリカのさまざまな風土に合わせたエッセンスが加わり、時代とともに独特なスタイルが確立されていきました。
そのため、アメリカンスタイルは時代や土地柄によってそれぞれ違った魅力の様式があります。
本記事では、代表的な7つのスタイルについて解説していきます。

アメリカンスタイルの種類

さまざまな様式のあるアメリカンスタイルのなかでも、今回は以下の7つに分類して紹介していきます。

  • カリフォルニアスタイル
  • ミッドセンチュリースタイル
  • アイクラースタイル
  • ヴィンテージスタイル
  • ブルックリンスタイル
  • カントリースタイル
  • ドライガーデン

それぞれ、特徴とメリットを見ていきましょう。

カリフォルニアスタイル

カリフォルニアスタイルは、アメリカ西海岸の明るく開放的なビーチライフからインスピレーションを受けた住まいのスタイルです。
自宅がまるで海辺にあるかのような雰囲気を演出し、外壁には伝統的なラップサイディングやモダンな塗り壁を採用。
自然光溢れる開放的な吹き抜けのリビングは、レッドシダーなどの天然素材で温かみをプラスします。
室内からつながるカバードポーチでは、屋外の爽やかな風を感じながら、柔らかな日差しの下でのんびりとしたひとときを過ごせることでしょう。
自然と調和しながらくつろげる空間を重視したアメリカンスタイルの住宅です。
なお、カリフォルニアスタイルの詳細は、こちらの記事でも紹介しています。

ミッドセンチュリースタイル

ミッドセンチュリースタイルは、1940〜1960年代のデザインをリスペクトしたスタイルです。
この時代のアート、ファッション、建築は、シンプルかつモダンな美学を追求し、チャールズ・イームズ&レイ・イームズや、ジョージ・ネルソンといったデザイナーによって象徴されます。
彼らの創作は現代まで影響を及ぼし、時間を超えて愛されるデザインの理想を提供しています。
この普遍性あるデザインを礎に、時代とともに成長する住まいを創造していくことこそがミッドセンチュリースタイルの魂といえるかもしれません。
また、ミッドセンチュリースタイルの詳細はこちらの記事でも紹介しています。

アイクラースタイル

アイクラースタイルは、1950年代ミッドセンチュリー時代のアイクラーホームにインスパイアされた住宅スタイルです。
このデザインは、ボスト&ビーム(支柱と梁)構造を採用し、屋外へ伸びる梁と大規模な窓が特徴的で、屋内と屋外の自然なつながりを強調します。
アースカラーの外壁に対し、エントランスドアは鮮やかな色を施し、天然石の石張りがアプローチに使用されています。
ミッドセンチュリーの心地良い雰囲気も現代に蘇らせられることは、アメリカンスタイルの醍醐味です。
なお、アイクラースタイルの詳細はこちらの記事でも紹介しています。

ヴィンテージスタイル

ヴィンテージスタイルとは、アメリカの19世紀西部開拓時代を彷彿とさせる住宅デザインです。
このスタイルは、過去の魅力と歴史を感じさせる素朴な風合いが特徴で、渋いかっこ良さにレトロなエッセンスが交ざり合います。
対照的なモダンスタイルの洗練さとは異なり、アメリカンヴィンテージでは、年月を重ねた木材や荒削りの素材感がどこか懐かしく、親しみやすい雰囲気を醸し出します。
それはまるで時間を経て熟成されたワインのように、深みのある魅力を放つスタイルといえるでしょう。

ヴィンテージスタイルの詳細は、こちらの記事でも紹介しています。

ブルックリンスタイル

ブルックリンスタイルは、ニューヨークのブルックリン地区に起源を持つ独特なデザインです。
もともとは工業地帯だったブルックリンは、1990年代にアーティストたちがマンハッタンから移住してくることで、その風景が大きく変わりました。
彼らは広々とした倉庫や工場をリノベーションし、インダストリアルな要素を生かした住空間や公共の場を創り出しました。
コンクリートの露出した壁やオープンな空間は、このスタイルの特徴として広まり、2000年代に入るとブルックリン全体がクリエイティブなエリアとして注目を集めるようになります。
個性的な内装やインテリアのブルックリンスタイルは、現在も多くの人々に愛されているアメリカンスタイルのひとつです。

カントリースタイル

カントリースタイルは、欧米の郊外や田舎の生活が感じられるデザインです。
このスタイルは、素朴さと温かみが共存し、ゆったりとした時間が流れる空間づくりに特化しています。
白やクリーム色を基調とした壁に、質感豊かな木製の家具が配され、ナチュラルなファブリックのカーテンが窓辺を飾ります。
部屋に並べられた手作り感のある装飾品やアンティークな小物が、心安らぐアクセントを加えることで、暖かくもどこか懐かしい雰囲気の中でくつろぐことができるのも特徴。
天然素材を用いたアイテムが生み出すやさしい雰囲気は、都会の喧騒から離れた穏やかな田園生活を思わせるカントリースタイルの魅力を形作っています。

ドライガーデン

アメリカンスタイルのドライガーデンは、水の少ない環境でも育つ植物を使用することで知られています。
サボテンや多肉植物など、乾燥地帯に自生する植物を主役に、砂利や石を配して砂漠のような景観を作り出すことが特徴です。
このスタイルはアリゾナの砂漠などを彷彿とさせるため「アリゾナガーデン」や「デザートガーデン」とも呼ばれます。
また、植物の種類によって「カクタスガーデン」や「サキュレントガーデン」といった名前で区別されることも。
乾燥植物を用いるため、適切な土作りと選定さえすれば、水やりの手間が減り、メンテナンスも容易になります。

ドライガーデンのについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

アメリカンスタイルの家に共通する特徴

アメリカンスタイルの家の特徴は、広々とした開放感です。
居住空間にはリビングルームを中心に、ダイニングキッチンがしばしば一体となって配置され、家族のコミュニケーションを促します。
外観は木造が主流で、ポーチや大きな窓、ガレージが一般的です。
内装にはカジュアルで温かみのある要素が多く見られ、キッチンには島型カウンターを設置し、家事効率だけでなく、家族や友人が集まるコミュニケーションスペースとしての役割も担います。
多様性と実用性を兼ね合わせた設計が多く、パーソナライズを重視する傾向があり、住まい手のライフスタイルに合わせてカスタムされることが一般的です。
主な特徴として、以下の3つにまとめられます。

  • 広々としたLDK
  • 自然素材が使われている
  • ビルトインガレージがある

それぞれ、さらに詳しく見ていきましょう。

広々としたLDK

アメリカンスタイルの家では、広々としたLDK(リビング・ダイニング・キッチン)がひとつの大きな空間としてデザインされるのが特徴です。
リビングは家族の絆を深め、ゲストを歓迎するためのオープンな構造となっているのが一般的です。
このスペースは、日常生活でもっとも利用されるため、家の心臓部ともいえます。
キッチンはしばしばカウンターを備え、料理をしながら家族やゲストとの会話を楽しむことができます。
リビングとダイニングエリアは互いに流れるように接続しており、機能と快適さが組み合わさったゆとりある生活空間が確保されています。
このオープンコンセプトは、空間の自由度を高め、明るく活気ある雰囲気を創出しているといえるでしょう。

自然素材が使われている

アメリカンスタイルの家では、自然の風合いを感じられる素材が好まれる傾向があります。
たとえば、木材をはじめとする素朴で温もりある自然素材が、床材や壁、キャビネットなどに使用されます。
これらの素材は、見た目の美しさだけでなく、居心地の良さをもたらし、住宅内外の雰囲気作りにも寄与しています。
また、石やレンガを使った暖炉や装飾も一般的であり、ナチュラルで洗練された空間を演出してくれるのも魅力。
自然素材の利用は、耐久性と環境への配慮という面でも高く評価されています。

ビルトインガレージがある

アメリカンスタイルの家では、ビルトインガレージが一般的な特徴です。
このガレージは家の構造に組み込まれており、車や自転車、庭の道具などの収納スペースとして使われるだけでなく、安全性や利便性も向上します。
多くの場合、家の主要なエントランスに直結しており、荷物の積み下ろしや天候の悪い日の出入りが容易です。
車社会であるアメリカではとくに、このようなビルトインガレージが住宅価値を高める要素となっているのでしょう。

アメリカンインテリア

アメリカンインテリアは、アメリカの豊かな歴史と洗練さを兼ね備えたインテリアの総称です。アメリカンスタイルの家を作るなら欠かせないアイテムになるでしょう。
アンティークやクラシックな家具に新しいエレメントを組み合わせることで、居心地の良いお店のようなユニークな空間を創出します。
このスタイルは多岐に渡り、1950年代のアメリカンダイナーに見られるレトロな赤と白のチェック柄、ネオンサイン、クローム仕上げなどのポップな要素から、より洗練された都市的ヴィンテージスタイルまで含まれます。
それぞれのテイストが独特の魅力を持ち、時代や文化のエッセンスを漂わせることで、それぞれの空間に個性を与え、広い範囲で人気を博しているのでしょう。
アメリカンインテリアは、まるでタイムカプセルに触れているかのように、過去と現代を繋ぐデザインを楽しめるスタイルです。

アメリカンインテリアについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

アメリカンスタイルの家を建てる前に押さえておきたいこと

最後に、アメリカンスタイルの家を建てるにあたって押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

  • インテリアとエクステリアの繋がりを生み出す
  • 生活スタイルから家具の配置を考慮してプランを立てる
  • 自然素材と工業製品を上手く組み合わせる

いずれも、憧れのアメリカ風のマイホームを手に入れるためには欠かせないポイントです。

一つずつ詳しく解説していきます。

インテリアとエクステリアの繋がりを生み出す

アメリカの家づくりでは、家の中のインテリアだけでなく、庭や外壁といった家の外観をさす“エクステリア”にも深い文化があります。
そのため、アメリカンスタイルの家を建てるのであれば、インテリアとエクステリア両者の調和も意識しましょう。

インテリアでは、ヴィンテージ家具や観葉植物など、どことなくアメリカの雰囲気をもつ素材感のあるアイテムがおすすめです。
エクステリアを考える際は、ヤシの木などの個性的な樹木や、素材感のあるブロックやフェンスを取り入れてみてください。
ポイントは、室内から眺めた外の景色が、インテリアと調和するように作っていくことです。

窓を大きく作ると、インテリアとエクステリアに繋がりが生まれ、一体感のある美しい空間となります。

生活スタイルから家具の配置を考慮してプランを立てる

家族の生活スタイルから、ベッドや収納、ソファ、ダイニングテーブルなどの家具の配置を考えましょう。
このとき大切なのは、家を建ててから配置を決めるのではなく、家の設計を考える段階で家具のデザイン、サイズ、配置などを考慮しながらある程度のプランを立てることです。

ミッドセンチュリーの家具には、良質な木材が使われており、当時でしか生産できなかったデザインのアイテムがたくさんあります。
家具の配置を考慮したうえで家の設計を決めることで、当時のアイテムに囲まれながら快適に過ごせる家になります。

また、家具に合わせて内装もこだわってみてください。
タイルやブロックで壁にアクセントを加えると、より一層アメリカンな雰囲気を演出してくれます。

自然素材と工業製品を上手く組み合わせる

アメリカのミッドセンチュリー期のデザイナーや建築家は、自然素材を大切にしたうえで、金属やタイルなどの工業製品を上手く組み合わせ、魅力的な建物や家具を生み出していました。
ぜひ、その思想を家づくりにも取り入れてみてください。

素材の組み合わせを大切に、心地良さを取り入れて家をデザインすることで、コントラストが生まれ深みのある空間となります。
アメリカを代表するHermanmiller(ハーマンミラー社)やKnoll(ノール社)など、ミッドセンチュリー期から活躍するブランドからも多くのアイディアを学ぶことが出来ます。

アメリカンスタイルに興味があればご相談ください

アメリカンスタイルの家は、自然素材を使った広々としたリビング・ダイニング・キッチンが特徴的な住宅です。
長い歴史の中で磨かれてきたさまざまなスタイルは、いずれも実用性とデザイン性を両立しており、流行に左右されない魅力を備えています。

 

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