公開日 2024.03.08 更新日 2024.03.27

ビルトインガレージとは?導入のメリットとデメリットを解説

家を建てるとき、「愛車を安心できる場所で大切に格納したい」「狭い土地でも駐車場がある家に住みたい」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この二つの願いを叶えてくれるのが、近年需要が高まっているビルトインガレージです。

 

そこで本記事では、ビルトインガレージの概要を、導入するメリットとデメリットとともに解説します。
新居の駐車場を検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

ビルトインガレージとは

ビルトインガレージとは、住宅の一部に駐車スペースを組み込み、シャッターやドアで閉めて車を格納するガレージのことです。
主に、二階建てや三階建ての住宅の一階部分に設置されており、土地が狭い日本で人気があります。

 

また、屋内からでも愛車を眺められるので、車やバイクが好きな方からも支持を集めています。

インナーガレージとの違い

「ビルトインガレージ」と「インナーガレージ」は、言葉こそ違うものの、両方とも建物内に組み込んだガレージのことで、同じスタイルを意味します。
建物内にガレージを設けた家を総じて、「ガレージハウス」とよびます。

ビルトインガレージの5つのメリット

ここでは、住宅にビルトインガレージを導入する5つのメリットをご紹介します。
近年人気が高まっている理由と、その魅力をひも解いていきましょう。

メリット①セキュリティ面で安心できる

ビルトインガレージを導入すると、盗難やいたずらから車を守ることができます。
シャッターを閉め切ることで、悪意を持つ人が警戒して近づけなくなり、格段にセキュリティ性が高くなるからです。

 

また、留守のときもシャッターを閉める習慣があれば、家を不在にする時間帯がわかりづらくなるため、家自体の防犯にもつながります。
治安に不安を感じる場所や、高級車の並ぶ住宅街にお住まいの方は、防犯カメラを設置しておくとより安心です。

メリット②車を雨風や紫外線から守れる

ビルトインガレージなら、車が雨風や紫外線にさらされるのを防ぎ、きれいに保つこともできます。

 

車やバイクが好きな方にとっては、愛車を屋外にできるだけ停めておきたくないものですよね。
屋外に車を置いておくと、飛来物が車体を傷つけたり、紫外線によって塗装が色あせたりするおそれがあります。

 

その点、ビルトインガレージは、屋内空間に車を格納するため、経年劣化を遅らせられます
天候や時間に左右されず、いつでも車をお手入れできるのも魅力的です。

メリット③悪天候でも快適に乗車・降車できる

ビルトインガレージを組み込むことで、屋内空間から車に乗れるのもメリットの一つです。

 

雨や雪が降ると、買い物や外出が億劫になる方も多いのではないでしょうか。
特に、買い物に行って荷物が多くなったときや、足が不自由な方が乗り降りするときなどは、天気が悪いと一苦労です。

 

建物と駐車場が一体になっているビルトインガレージなら、身体や荷物を濡らさずに車の乗り降りが可能です。
また、車の雪下ろしの必要もなくなるため、積雪量が多い地域にお住まいの方がビルトインガレージを導入するケースが増えています。

メリット④趣味のスペースとして有効活用できる

ビルトインガレージは、車庫としてだけでなく、趣味を楽しむスペースとして利用できる点も魅力です。

 

プロジェクターを設置して映画を鑑賞したり、DIYスペースを作ったりするなど使い方は人によってさまざまです。
お子さまがいらっしゃるご家庭では、プールやボール遊びの場として活用することもできます。
また、ガレージの内装をおしゃれに装飾して、友人を招待してホームパーティーやバーベキューを開催するのも楽しそうです。

 

このように、ビルトインガレージはライフスタイルの数だけ活用方法が存在します。
ご自身なら、どのように利用するのか想像すると夢が広がりますね。

メリット⑤容積率緩和の優遇措置を受けられる

ビルトインガレージを導入すると、容積率緩和の優遇措置によって、固定資産税が安くなる可能性もあります。

 

容積率緩和措置とは、建物全体の延床面積のうち、ビルトインガレージの床面積が5分の1までの広さであれば、延床面積から差し引かれる措置のことです。
たとえば、建物の延床面積が250㎡で、ビルトインガレージの床面積が50㎡の場合、駐車スペースは差し引いて考えられます。
つまり、このケースにおいて延床面積は200㎡とみなされるため、ビルトインガレージの面積の広さの分だけ固定資産税を安く抑えられるというわけです。

 

ただし、電動シャッターのように高性能なシャッターを設置すると、容積率緩和措置の条件を満たしていても、固定資産税の対象になることがあるので注意が必要です。
ビルトインガレージの評価方法は、自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

ビルトインガレージの2つのデメリット

ここまでビルトインガレージのメリットをご覧いただき、導入したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、メリットがあると同時に、デメリットがあることも事実です。

 

ここでは、ビルトインガレージを導入するデメリットを2つご紹介します。
家が完成したときに、「もっとこうすればよかった」と後悔しないよう参考にしてみてください。

デメリット①シャッターやエンジンの音がうるさい場合がある

ビルトインガレージで発生する音が、住居内に響き渡る可能性があります。

 

車庫が部屋の一室として存在している状態なので、ガレージ内の騒音や振動はダイレクトにほかの部屋に響きます。
早朝や深夜に車を動かすことが多い場合は、ご家族を起こさないように、寝室をガレージとできるだけ離して配置するとよいでしょう。

 

特にシャッターの開閉音は、外にも響くため近隣への配慮が欠かせません。
シャッターを選ぶ際は、静粛性に優れたタイプを選ぶことをおすすめします。

デメリット②居住空間が狭くなる

ビルトインガレージを組み込むと、居住空間が手狭になります。

一階部分の大半は、ガレージが占めるので、居住空間は二階以上に集中します。
土地面積が狭い場合は、三階部分の建築が必要になるでしょう。

生活面で考えると、買った食材を車から降ろしてキッチンに運ぶために、毎回二階に上らなければならないことを負担に感じてしまうかもしれません。
また、将来年齢を重ねた際に、階段の上り下りが難しくなるケースも踏まえて家を建てる必要があります。

その一方で、居住空間が二階になると、リビングの採光を得やすいほか、景観が良いなどの利点もあるので、工夫して住みやすい家を建てたいものです。

ビルトインガレージの内装制限とは

ビルトインガレージを導入するにあたって、注意したいのが内装制限です。

内装制限は、建築基準法で定められているもので、壁や天井に燃えにくい材料を用いる規制のことです。
ビルトインガレージも、その対象のため、内装制限を守らなかった場合、建築基準法違反となり、懲役や罰金が科されることとなります。

内装制限に基づいた防火材料としては、不燃材料や準不燃材料などが挙げられます。
ビルトインガレージにデザイン性を求めていたとしても、使えない材料があるという点を念頭に置いておきましょう。

ビルトインガレージを作る際にかかる費用

ビルトインガレージの導入にかかる費用相場は、坪単価50万~80万円程度です。
一台の普通乗用車を収めるのに5坪程度必要なので、車一台を停める広さを施工するには250万~400万円程度かかります。
車の収納数を増やしたり、付属設備のグレードを上げたりする場合は、よりいっそう高額になることが考えられます。

 

そのため導入を検討するときは、収納する車の大きさや台数、ガレージを利用するシーンを具体的に把握したうえで見積もりを依頼しましょう。

より快適なビルトインガレージを導入するための4つの方法

せっかくビルトインガレージを導入するなら、不自由なく利用できる空間にしたいものです。
そこでここからは、快適なビルトインガレージを導入する方法を4つ紹介していきます。
ご自身の家庭に必要だと思う設備をつけて、あなただけのガレージにカスタムしましょう。

方法①頑丈で水や汚れに強い床材を選ぶ

ビルトインガレージの床材は、重量のある車が載ってもひび割れず、水や汚れに強い素材を選びましょう。
おすすめの床材はコンクリートで、摩擦を軽減することでひび割れを起こしにくい点が魅力です。
洗車や整備を行う場合は、樹脂塗料を塗っておけば耐水性・耐油性に申し分なく利用できます。
無垢な見た目もかっこいいですよね。

 

内観美にこだわり、木材や、タイルなどの素材を選びたいと思われるかもしれませんが、割れにくく傷つきづらいタイプはそのぶん高価なのが難点です。
ご自身の用途に適した床材を選べるように、施工担当者に相談してみてください。

方法②エアコンや換気扇などの空調設備を取りつける

ビルトインガレージにエアコンや換気扇をつけると、より快適に過ごせます。

 

ガレージ内は屋外の気温の影響を受けやすいため、趣味のスペースとして使うのであれば、エアコンを設置しておくと、利便性が高まります。

 

車の整備やDIYで塗装する場合は、塗料やオイルのニオイが充満しないように換気扇をつけるとよいでしょう。
また、除湿の役割もあり、車を結露やさびから守ることができます。

 

換気扇は、キッチン用の簡易タイプからガレージ専用のものまでさまざまな種類があるので、ご自身の用途に合わせて選んでみてください。

方法③シンクを設置する

そのほかに、ビルトインガレージにシンクを設置するのもおすすめです。

 

車の整備や洗車を行う際は、その場で汚れを落としたり、洗い物したりできるので、重宝するでしょう。
また、お子さまがいらっしゃる家庭では、子どもが外遊びで汚れて帰ってきても、ガレージ内で衣類や身体の汚れを落とせば、居住空間を清潔に保つことができます。

 

このように何かと使い勝手のよいシンクを設置して、水道設備を整えておくと、より快適なガレージライフを過ごせます。

方法④収納スペースを作る

ビルトインガレージを、車の駐車だけでなく、趣味のスペースとして利用したいなら収納スペースも用意するとよいでしょう。

 

趣味のグッズは何かと多くなってしまうため、できる限り余裕をもって収納スペースを確保しておくと安心です。
居住空間よりも汚れが気にならないので、サーフボードや自転車、キャンプ道具などのアウトドア用品を保管することができます。

 

ガレージ内に何を置きたいかを想像して、収納スペースの広さを決めてみてください。

ビルトインガレージに関する2つの注意点

ビルトインガレージは生活を豊かにしてくれる半面、導入を考える際に注意してほしい側面もあります。
ここでは、耐震性の確保と、ご家庭のライフスタイルとの整合性の2つの観点から解説します。
人生で一度の大きな買い物を失敗しないためにも、ぜひ参考にしてみてください。

注意点①耐震性が損なわれるケースがある

ビルトインガレージを組み込んだ住宅は、構造上の性質によって耐震性が低くなります。

 

一般的に耐震性の高い家は、構造のバランスが良いものです。
対して、ビルトインガレージは、車庫部分の柱が少なく空洞状で、建物が縦に細長い形状になりやすいのが原因で不安定になる傾向があります。
対策方法として、鉄骨やRCなどの耐震性に優れた建築素材を選ぶことや、バランスのとれたデザインを検討することが挙げられます。

 

ビルトインガレージの導入を決める際は、「建築予定の土地で、耐震性を確保しつつ、望み通りの家を建てられるのか」をよくリサーチすることが重要です。
耐震性に関して詳しく知りたい方は、一度施工会社に相談してみてください。

注意点②家庭のライフスタイルに合わない可能性がある

ビルトインガレージの導入前に、ご家庭のライフスタイルに合った家なのか、熟考することも大切です。

 

ビルトインガレージを組み込んだ住宅に住むと、車の騒音や振動、ニオイなどはどうしても気になるものです。
パートナーとの活動時間が違う場合は、車の騒音で寝ている相手を起こしてストレスをかけてしまうことが考えられます。
特に、赤ちゃんがいるご家庭では、騒音や強いニオイに対して細心の注意を払わなければなりません。

 

実際に生活する様子を想像してみて、慎重に導入を検討しましょう。

ビルトインガレージは家に組み込まれた車庫で、人によって使い方はさまざま

本記事では、ビルトインガレージの概要を、導入するメリットとデメリットとともに解説しました。

 

ビルトインガレージは、住居の一階部分に駐車スペースを組み込み、開口部をシャッターやドアで閉めて車を格納するガレージです。
セキュリティ性が高い点や趣味のスペースとしても利用できる点など魅力に溢れていて、生活を豊かにしてくれます。
生活導線や騒音対策に工夫を施し、あなただけのビルトインガレージを造りあげましょう。

 

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